相続の基礎知識 - 法定相続分

 法定相続分とは、相続人ごとに受け取ることができる遺産の割合を定めたものです。

 「法定」というと強制力があり、この通りにしなければならないと思われがちですが、必ずしも法定相続分
の通りに遺産を分割する必要はなく、遺産分割協議を行う際の「目安」という意味合いの強い規定です。
 ただし、借金や保証人債務などの消極財産については、債権者の合意が無い限り、法定相続分通りに負担する
こととなります。

 例えば遺言書や遺産分割協議で
   「債務の返済に関しては、すべて○○が負担する」
等と定めても、別の相続人が債権者より請求を受けた人は、法定相続分の割合に応じ債務を返済しなければ
なりません。(この場合、債務を返済した相続人は、○○に対し自分の負担した金額を求償することができます。)

 ところで、法定相続分は、平成23年1月現在、以下の割合に規定されています。

  相続人がの配偶者だけ場合   : 配偶者が全部の遺産を相続する。
  配偶者以外の相続人だけの場合 : 相続人が遺産を等分する。
  配偶者と子供の場合      : 配偶者が2分の1、子供は残り2分の1を等分する。
  配偶者と両親の場合      : 配偶者が3分の2、両親は子供は残り3分の1を等分する。
  配偶者と兄弟姉妹の場合    : 配偶者が4分の3、兄弟姉妹は残り4分の1を等分する。

 ただし、相続人中に以下に該当する人がいる場合、法定相続分は他の相続人の半分となります。)
    ● 第1順位の相続人で、嫡出子と非嫡出子がいる場合の非嫡出子。
     (非嫡出子でも、父の認知後に両親が婚姻した場合は除きます)
    ● 第3順位の相続人で、全血の兄弟姉妹と半血の兄弟姉妹がいる場合の半血の兄弟姉妹。
     (養子縁組により兄弟となった者で、被相続人の片親とだけ養子縁組した場合は半血となります)

 尚、相続の開始が昭和 55年12月31日以前の場合の法定相続分は、以下の割合となります。
  配偶者と子供の場合   : 配偶者が3分の1、子供は残り3分の2を等分する。
  配偶者と両親の場合   : 配偶者が2分の1、両親は子供は残り2分の1を等分する。
  配偶者と兄弟姉妹の場合 : 配偶者が3分の2、兄弟姉妹は残り3分の1を等分する。

 不動産の登記には期限がないため、昭和 55年12月31日以前に相続が開始されたにもかかわらず、相続の
手続きをしていない場合があり、このような相続手続きを行う場合は、以前の規定を適用し相続手続きを
行わなければなりませんす。

  次は、「遺留分」です。

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